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求人受理の条件にマタハラ防止策 ハローワーク

厚生労働省はマタニティーハラスメント(妊婦への嫌がらせ)に対する法律で義務付けた防止措置を講じなかった企業の求人をハローワークで受理しないように制度を改める。関係する政令を改正し、来年1月から施行する。学生や転職を考えている人がそうした企業に就職することを未然に防ぐ。

ハローワークでは今年3月から労働関係法令の違反を放置している企業の新卒求人を受理しない取り組みを始めている。今回は不受理の対象にマタハラに関する規定を加える。男女雇用機会均等法は、女性社員の妊娠や出産を理由に職場で不利益な扱いをされることがないように、相談窓口を設置するなど防止体制を整備するように求めている。
(日本経済新聞 11月6日)

今は相談窓口の設置など防止策を講じたかどうかの形式が問われる段階だが、防止策を講じたところで、適切に運用されなければ意味がない。大手製造業で中間管理職に就く女性は、こう打ち明ける。
「うちの会社にもハラスメント行為の相談窓口が開設されていますけど、相談しても“なかったことにしておきたい”という方針が見え見え。事を荒立てたくないのでしょうが、大体はウヤムヤにされておしまいです。とくに加害者が社内の実力者とか出世候補の筆頭社員だったりすると、なおさらですね」

相談窓口には、社内政治を行なわず、正論を貫くタイプの社員を配置するとよいが、それでも社内には打ち明けにくい社員もいるはずだから、弁護士事務所などにホットラインを開設して泣き寝入りを防ぐことだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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