2016/10/31
日本電産の永守重信社長は24日、大阪市内で開いた決算説明会見で、2020年までに社員の残業をゼロにする構想を明らかにした。昨年から働き方改革の一環で全社的な残業抑制を進めており、今後さらに踏み込んだ対策を打つ。業務効率の改善で収益向上につなげる。
永守社長はほとんど休まない働きぶりで知られたが、「『モーレツ』という看板は(日本電産に)もう無い。まずは京都で最も働きやすい企業にする」と長時間労働との決別を宣言。昨秋から本格的に始めた残業抑制では会議の短縮や業務の自動化を奨励し、永守社長自身も午後7時までに退社するよう習慣を改めたと説明した。15年度下期で残業代が約3割減ったという。今後は女性の採用や管理職登用も増やす考え。さらに事業拡大に合わせ、16~17年で課長以上の幹部候補で計1千人を中途採用する方針も明らかにした。
(京都新聞 10月25日)
働き方改革は政府が音頭を取るよりも、永守重信氏のような影響力のある経営者が実践したほうが浸透しやすいだろう。さらに孫正義氏や柳井正氏など大物経営者が次々に長時間労働との決別を宣言すれば、流れが形成され、多くの企業がどんどん巻き込まれてゆく。
その流れにあっては、長時間労働を仕事の厳しさと錯覚し、あるいは「入社してウエストが何センチ増えた」など社員の不健康自慢が飛び交うような企業は、まず採用に苦しむようになる。
そのためには業務の劇的な効率化が欠かせないが、たとえば会議の議事録や報告書などの作成は音声入力システムに切り替えればよい。医師がカルテ作成を音声入力に切り替えたところ、作業時間を7割削減できたというケースもある。
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