2016/10/05
政府は27日に初会合を開く「働き方改革実現会議」で、外国人労働者の受け入れを検討する。介護や育児、建設など人手不足の分野で外国人労働者を受け入れるため、法整備をめざす。あらかじめ分野ごとに受け入れ数を決めて管理する制度を設け、単純労働の外国人受け入れに事実上、門戸を開く。ただ受け入れには自民党の一部などに異論もあり、議論を呼びそうだ。
現在、外国人材の受け入れを巡っては、事実上研究者や経営者といった「高度専門人材」と「技能実習制度」を使った実習生、経済連携協定(EPA)を通じた受け入れに限っている。ただ、国内の生産年齢人口は2013年に8000万人を割り、足元では7700万人まで減少した。特に介護など潜在需要の高い分野で人手不足が深刻だ。
(日本経済新聞 9月27日)
介護業界で注目された経済連携協定(EPA)による外国人人材の受け受け入れには、週28時間労働で残りの時間は日本語学習に充てさせ、賃金は日本人職員と同一という規制がかけられ、介護事業者にとって、さほど魅力のある仕組みではない。
そこで注目されているのが、法務省と厚生労働省が今年3月に共同提出した「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」である。国会審議を通過すれば来年4月にも施行される見通しである。従来の制度との大きな違いは、技能修得の成果が一定以上に達していると認められれば週40労働で最長5年間の技能実習を行なえて(従来は3年間)、さらに介護従事者の受け入れが可能になることだ。
事業者にとっては使い勝手の良い制度だが、EPAに比べて日本語力など応募要件のハードルが低いことから安価な労働力の調達に流れ、介護現場に対する底辺労働イメージが増幅されるという懸念もある。そうなれば人手不足対策どころか、むしろ人手不足が助長されかねないというのだが、そんな懸念に関わっていられないのが介護現場の実情である。
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