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転職後のミスマッチを防げ!-転職者のスキル向上を人材サービス会社がサポート-

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人材サービス各社は転職希望者のスキル向上を支援する。
アデコは転職先の企業で一時的に働くインターンシップを導入し、パソナは経理現場での実力を見極める独自資格を設けた。
企業の業績回復に伴い即戦力となる中途社員の採用意欲が高まる一方で、人材の質を厳しく判定する傾向は変わらない。
支援は転職者と求人企業のミスマッチ解消に役立ちそうだ。

アデコは採用支援を手掛けるリンクアンドモチベーションと共同で、3カ月間のインターンを組み込んだ転職支援を5月に始める。
転職希望者は営業などに必要なコミュニケーション能力を高めるため、アデコが提携する旅館や福祉施設で接客などの経験を積む。そのうえで同社の社員として、中途社員を望む企業で3カ月働く。
(中略)リンクが働きぶりの評価を定期的に企業から聞き取り、その結果を転職希望者と共有して能力向上につなげる。
3カ月後に企業と希望者が納得すれば正式に雇用契約を結ぶ。
成立しなかった場合は他の求人企業でインターンとして働き、最も適した転職先を見つけるようにする。(日本経済新聞 4月15日)

アデコの採用支援はおもに若年層が対象なのだろうが、転職のミスマッチは40歳以上でも頻発している。
40歳以上の幹部層を紹介する東京人材銀行のカウンセラーによると、こんな実態があるという。
「実績を積んだ営業マンでも他の業界に転職すると、商品や商慣習の違いがハードルになって、短期間には成果を出せないことが少なくありません。その場合、3カ月の試用期間で解雇される例があります」。

40歳を過ぎれば、即戦力になることを前提に採用されるだけに、短期間に成果を出せなければバッサリと見切られてしまうのだ。
社員の側にも見切る権利は同等にあるが、選択肢の狭まる年齢になれば雇用の確保を最優先するもので、社員の立場は著しく弱い。
試用期間を理由として、雇用側に、バイキング料理をあれこれ試食したうえで好みの味を見つけるような真似をされたら、それこそ生活設計が狂ってしまう。ミスマッチを解消する支援サービスは有意義である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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