2016/09/22
IT(情報技術)を活用した健康経営に力を入れる企業が増えている。富士フィルムホールディングス(HD)は社員の健康診断の結果や勤怠情報などを一元管理して、きめ細かい健康管理につなげる。大和証券グループ本社は健康情報をインターネットで学習するとポイントを与え、給与にも反映する。健康保険組合の財政悪化や人材不足を見据え、社員が健康で長く働けるようにする。
富士フィルムHDは、従来は別々に管理していた健康保険組合や産業医、会社の人事部などが持つデータをグループ会社で統合する。健康診断やストレスチェックの結果、生活習慣病での受診歴、勤怠情報のほか、これまでの上司が誰だったかといった職場情報まで合わせて分析できるようになる。
(日本経済新聞 9月13日)
富士フィルムHDの取り組みが示すように、健康経営の取り組みは、大手企業には相当な勢いで普及しつつある。だが、中小企業は二の足を踏みがちだ。健康投資への資金的な余裕がないと。
健康経営の提唱者であるNPO法人健康研究会理事長の岡田邦夫氏(産業医)は、9月5日に都内で開かれた「健康経営会議2016」で、健康投資を3つのステップに分類し、中小企業にも取り組みやすいように提言した。
第1に「時間投資」である。経営者が経営管理と健康管理のために投資する時間で、経営者自身の時間投資として。自らの健康づくりや職場訪問、健康経営の施策を考える。さらに従業員の労働時間投資として、勤務時間内に教育研修や勤務時間内に健康づくり事業を展開する。
第2に「空間投資」で、社員食堂やスポーツ施設など企業内の施設への投資である。
第3に「利益投資」である。経常利益を健康づくり事業に投資して生産性の向上を図り、快適な職場づくりに投資して生産効率の向上を図る。
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