J・フロントリテイリングは10日、2月末までに傘下の大丸松坂屋百貨店の社員1108人を削減したことを明らかにした。
内訳は選択定年制度への応募が273人、グループ会社への転籍が835人。
消費増税に伴う売り上げの落ち込みに備え、年間44億円の人件費の抑制効果を見込む。
増税後の4月1~9日の大丸松坂屋百貨店の店頭売上高は前年同期比19%減少したという。(日本経済新聞 4月11日)
J・フロントリテイリングの2015年2月期連結業績は営業利益、経常利益ともに5年連続の増益の見通しなので、消費税問題とは別に、大丸松坂屋百貨店を縮小する方針なのだろう。
消費税の影響は来年が本番である。10%になれば消費は一気に抑制へと動くはずだ。
しかし、その反動による企業の業績浮沈もさることながら、懸念されるのは消費税の未納が増えることだ。
消費税を支払うのは消費者だが、納めるのは事業者である。10%に届いた時点で、事業者があらゆる節税措置を講じないはずはない。
むろん当局はそれをお見通しだろうから、新たな攻防が展開されるに違いない。
しかし、10%でも消費税率はまだ低いという見解がある。
OECDは日本の消費税率が現時点で20%が妥当であると発表しているし、日本のある財政学者は「25%が妥当な水準なので、5%が8%に増えたことは大した問題ではないと考えています。」
社会保障関連の講演会で、そう持論を述べた。
消費税と社会保障とのバランスは、高負担・中福祉というのが現実的な選択なのだろうか。
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