2016/07/29
経団連など60の経済団体が集まって企業の職場環境の改善を呼びかけるセミナーが開かれ、経営トップが率先して、社員の長時間労働の是正や有給休暇の取得促進に取り組むとする「働き方改革宣言」が採択されました。
セミナーには、経団連や日本商工会議所など60の経済団体からおよそ450人が参加し、はじめに職場環境の改善に取り組む企業の取り組みが紹介されました。
このうち、IT企業のSCSKは、残業時間が減ると給与が下がるという社員の懸念を踏まえてボーナスを引き上げた結果、社員1人当たりの1か月の残業時間を平均で35時間から18時間に短縮でき、業績アップにもつながったということです。
また、食品大手の味の素は、午後8時に本社の照明を強制的に消灯して残業を減らす一方、来年4月からは社員の基本給を変えずに、1日当たりの所定労働時間を7時間15分に、20分短縮するということです。セミナーでは最後に、経営トップが率先して社員の長時間労働の是正や有給休暇の取得促進などに取り組むとする「働き方改革宣言」が採択されました。
(NHK 7月27日)
日本企業では、業務上の必要性はそれほどないのに残業手当を得ることを目的として残業をする「生活残業」がいまだに残っている。あるいは、残業が定常化して、残業せずに帰宅するのは、早退しているように見なされる職場の空気もあったりする。
このような組織風土が変わらない限り、長時間労働の抜本的な是正は難しい。そのためには、経営トップが組織風土と制度を変えることを社内に明確に宣言することが重要だ。
ただ、この「働き方改革宣言」も、経営トップ自身が職場の空気に寄り添うことで出世してきた人だったりすると、いまひとつ社内に対する説得力に欠けることになる。組織を改革するには、まず、経営者自身が自らの働き方を変革する必要がある。
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