ベネッセホールディングス(HD)は27日、日本マクドナルドHDの原田泳幸会長を代表取締役会長兼社長に就任させる人事を発表した。原田氏は昨年6月からベネッセHDの社外取締役に就任し、今年3月25日付けで日本マクドナルドHDの代表取締役会長から取締役会長に異動した。就任予定日は株主総会終了後の6月21日。原田氏の会長兼社長就任に伴い、福武総一郎会長は最高顧問に、福島保社長は代表取締役副会長に異動する。
ベネッセHDは2013年7月から15年度末をゴールとする「ベネッセグループ変革運動」を行なっている。第1フェイズでは、コスト構造の改革、成長戦略の策定、グループのガバナンスの再設計とグループの連携強化を進めてきた。新体制で第フェイズに入っていく。
(ベネッセホールディングス プレスリリース要約 3月27日)
原田氏についてはいろいろな評価を見聞する。とくに創業者の藤田田の時代に在籍したOBたちが下す評価は芳しくないようだが、この手の評価はどこにでもあることで、ここでは触れない。
原田氏が2004年に日本マクドナルドHDの社長に就任した当初、外食業界では「外食業界の経験がないからどこまでできるか?」と疑問視する向きがじつに多かった。これは外食業界に限ったことではないが、他業界出身者に対して「他業界で活躍しても、この業界での経験がない」という偏狭な見方が根深い。
プロパーの業界人は、よそ者に成功してほしくないのだ。自分の足跡が価値を失ってしまうという喪失感に覆われてしまうからで、加えて男のジェラシーもあるかもしれない。
横浜DeNAベイスターズの池田純社長に対しても同様だった。IT業界出身者で年齢も若いがゆえに、旧弊が色濃く残るスポーツ興行界で通用するのかと。しかし、ベイスターズは2年連続で観客数を伸ばし、グッズ売り上げも増やしている。
稲盛和夫氏が畑違いの航空会社を再建したのは別格だが、再建期には他業界出身者の手腕に委ねたほうが期待できる。その業界で経験がないぶん、伸びしろを秘めているのだ。
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