コンビニエンスストア2位のローソンは24日、玉塚元一(たまつか・げんいち)・最高執行責任者(COO)が1月1日付で社長に就く人事を正式発表した。2002年の社長就任から12年間トップを務めた新浪剛史・最高経営責任者(CEO)は5月27日の株主総会を経て代表権のない会長に退く。コンビニ間の競争が激化する中、健康志向を反映させた店づくりなどで一段の成長を実現できるか、玉塚氏の手腕が問われそうだ。
「新浪氏のまいた種を飛躍につなげ、小商圏の製造小売企業として世界一になる」。玉塚氏は24日、東京都内で開いた記者会見で宣言した。18年2月期に、連結営業利益1000億円(14年2月期見通し700億円)とする目標も披露。「旧来型のコンビニを一生懸命やっていくことには限界がある」とも語り、健康ニーズをくみ取った店舗、商品開発を進める考えを示した。(中略)
新浪路線で成長してきたとはいえ、首位のセブン-イレブンとは国内店舗数で5000店弱、1日の平均売上高も10万円以上の差がある。3位のファミリーマートも猛追している。過疎化や高齢化による「買い物難民」も問題化する中、「コンビニの社会的価値を上げるチャンス」(新浪氏)を生かし、国内基盤を強化できるかが問われる。(毎日新聞 3月24日)
ローソンはこの社長人事を発表した同じ日に、ファンケルの無添加化粧品5品を4月1日から全国の「ローソン」で発売すると発表した。
健康志向の品揃え強化を象徴するようなニュースである。
「ローソンのナチュラル志向は見ものだね」。かつてファミリーマートを2店舗経営していた知人はそう言った。
彼はファミリーマートの元フランチャイズオーナーなのに、ローソンのファンだという。
カット野菜の陳列や「ナチュラルローソン」の展開などに可能性を見ていて、会うたびに「ローソンには新鮮さがあるけど、ファミリーマートの品揃えは残念だな。とくに惣菜が弱い」とコメントするのだ。
「じゃ、セブンイレブンはどう評価していますか」。店舗数や売上高の格差はわかりきっているので「プロの目から見て、やはり商品力がすぐれているという評価でしょうか」と尋ねた。
すると彼は即答した。「かりにセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、この3店が並んで営業していたら、私なら迷わずセブンイレブンに入るね。だって、他の2店に比べて商品力に差がありすぎるよ」。
こうした勢力の模様がある一方で、コンビニエンスストアには、宅配機能を活かした医薬品販売や見守りサービスなどの社会的な要請が高まっていく。
“地域包括ケアビジネス”とでも呼ぶべきビジネスモデルに、新たな成長機会が潜んでいる。
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