2016/07/01
深刻な人手不足を背景に、パートなど非正規労働者の賃上げの動きが広がっている。流通業などの労働組合で構成するUAゼンセンでは、今春のパートの賃上げ率が初めて正社員を上回った。アルバイトの時給も上昇が続く。今春の大手企業の賃上げは過去2年より鈍かったが、パートなどで働く配偶者の収入増で世帯収入が増えれば、力強さを欠く消費の下支え要因ともなりそうだ。
UAゼンセンは小売りや外食など約2500の労組が加盟。連合傘下で最大の約160万人の組合員のうち、54%をパートなどの非正規労働者が占める。組合員数ベースで80%超が妥結した6月上旬の中間集計では、パートの賃上げ率は2・20%(時給で20・1円)と、正社員の月給上昇率(2・02%)を上回った。
(日本経済新聞 6月21日)
非正規労働者の多くは正規労働者への移行を望み、当面それが叶わなくとも、生活の安定だけは保ちたい。この記事にあるパートの賃上げ率2・20%(時給で20・1円)程度では、生活の不安を到底拭いきれないだろう。
ところが、同じ非正規労働者でも、定年退職者となると事情がやや異なるようだ。厚生年金を受け取っている年代で、月10万円程度の稼ぎがあればよいという人たちは、週3日程度働いている場合が多い。収入は欲しいが、フルタイムで働くつもりはないのだ。この層には、時給を少し下げてもよいから、雇用機会を増やしてほしいというニーズも少なくないという。
しかし、政策の重点課題としては、結婚・出産・子育てに不安のない定収入確保の機会をいかいして創出するかだ。
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