レトルトカレーの「ボンカレー」で知られる大塚食品(大阪市)が、正社員の3分の1にあたる約190人の希望退職を募っていることがわかった。全国的に雇用統計は改善しつつあるが、業績が伸び悩む企業はリストラをせざるを得ない状況も続いている。
対象は40歳以上60歳未満で、2月10日から募集を始めた。3月17日まで応募を受けつける。退職日は3月末。応募が認められれば、退職金が上乗せされる。
大塚食品によると、希望退職を募るのは初めて。低価格競争が厳しいうえに、少子高齢化で国内市場の縮小が見込まれ、生き残るには人件費の抑制が避けられないと判断したという。(朝日新聞デジタル 3月1日)
「少子高齢化による国内市場の縮小」は業績不振を説明する常套の理由だが、他の食品メーカーも軒並み業績不振なのか。なぜコンビニエンスストアは繁盛しているのか。大塚食品は、どこで、どう経営判断を誤ったのかを率直に開示したらよい。リストラ対象となる年代の社員なら皆、真相を知っているだろう。やがて真相は世間に知れわたるものだ。
それにしても、この件は業績不振によるリストラには違いないが、終身雇用を保つのが難儀な時代に入ったことをあらためて実感させる一例だ。雇用を優先したくとも、背に腹は代えられない局面もある。ことに生活に金のかかる年代になった勤め人は、黄色信号を意識しなければなるまい。40歳になったら、勤務先で禄をはみながらもセカンドキャリアのレールを敷く。それは職業人生のリスクマネジメントである。
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