2016/05/12
独立した人が企業の経営課題を解決する「顧問サービス」にはここ数年、人材サービス大手が相次ぎ参入している。企業から解決すべき内容の業務委託を受け、登録する人にその仕事を委ねるというのが一般的な流れだ。労働者派遣とは異なり、相手先企業には顧問への指揮命令権がないのが特徴だ。
2014年に顧問サービスを始めたインテリジェンスはこれまでに2400社と契約した。顧問の平均年齢は60・9歳という。リクルートキャリアは参入企業は十数社、市場規模は数十億円と見る。各社とも数千人の登録顧問を抱えるが、課題解決に役立つスキルや経験を持つ人をどれだけ確保できるかが課題だ。
(日本経済新聞 4月26日)
顧問紹介のパターンには大企業幹部OBを中小ベンチャー企業に紹介する例が多い。中小ベンチャー企業は経営管理や営業手法の強化を顧問に求めることもあるが、それよりも大手企業で培った営業人脈への期待が多いようだ。
期待どおりの成果が出ればよいのだが、ある顧問紹介会社の担当者によると2つの問題が発生しがちだという。ひとつは、顧問となった人材がすでに「OB」の身であるため、営業先から見れば“賞味期限切れの人材”と見られかねず、営業した案件の取り扱いが軽くなってしまうここと。もうひとつの問題は、中小ベンチャー企業が顧問の人脈を食い散らかすような姿勢をとりかねないことだ。
「人脈をアテにされていることがわかっていても、それが露骨だと意欲を失ってしまう顧問人材は多い」(同上・担当者)。
当然のことだが、信頼関係を築かなければ顧問が蓄積したストックをふんだんに提供してもらえない。
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