2016/05/09
台湾の鴻海精密工業の傘下に入るシャープが、1000人規模の人員削減を検討していることが28日、分かった。
現在策定中の新たな事業計画の中で1つの案として浮上。
シャープは液晶事業を中心に厳しい業績が続きそうで、早期黒字化のためには、一層の固定費の圧縮が避けられないとみているもようだ。親会社となる鴻海の郭台銘会長は「(従業員は)全員残ってもらえるようにしたい」と述べ、雇用を原則維持する意向を打ち出している。
一方で不採算部門の切り離しを含めた事業構造の全体的な見直しには意欲的だ。人員削減は、不振の太陽電池などの事業部門が対象となる可能性がある。
削減数の詳細や希望退職を新たに募るかなどは今後詰める。
(ZAKZAK 4月28日)
1000人の人員削減はシャープ独自の判断なのか、鴻海精密工業の指示なのか。買収に際して雇用を守ると明言しても、想定外の業績悪化が発生すれば、雇用維持の前提は崩れてしまう。鴻海が構造改革を求めれば、雇用維持を言明しながらも、シャープは自主的に人員削減に踏み切らざるをない。シャープが自主的に身軽にしてくれればありがたいだろう。
シャープに続いて大型の経営危機が迫っているのは三菱自動車だ。三菱グループはスリーダイヤの面目にかけて、三菱自動車を守るか。あるいはスリーダイヤの面目にかけて不祥事の常習犯をグループから排除し、世間へのケジメとするのか。
この規模になれば経済産業省の思惑も反映されるだろうから、水面下でさまざまな駆け引きが展開されるに違いない。
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