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シャープ、来年春に新卒290人を採用、今春の2倍

経営再建中のシャープは11日、来年春の新卒採用数を28年春の実績(151人)の2倍弱の、290人とする計画を発表した。
内訳は大卒200人(今年度121人)、高卒90人(同30人)。シャープでは昨年に3200人以上の希望退職を行い、若手の自主的な退職も相次いでいる。事業を行う各カンパニーから聞き取りを行ったところ、人員増を求める声が高まっていたという。
 
用計画は親会社となることが決まった台湾・鴻海精密工業に報告し、11日発表した。広報担当者は「弊社が独自に決めたもの。(構想段階では)鴻海の意向は聞いていない」としている。
(産経新聞 4月11日)

株式上場を果たした創業社長を取材する機会が多いが、誰もが共通して重視しているのは新卒採用である。ほとんどの会社では、創業して数年間は中途採用がメインだが、入っては辞め、入っては辞めの繰り返しで、人事が落ち着かない。
この時期に定着しやすいのは、むしろ新卒社員である。新卒社員を大事に育て、10年後には経営幹部に昇進できる人材が登場するような会社は、だいたい伸びてゆくものだ。

シャープが大量のリストラを進める一方で新卒採用を増やすのは、退職者の心中を慮れば情にはかなっていないが、理にはかなっている。まして若手社員の自主退職が相次いでいるのなら、なおさらだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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