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ディスコ、中小企業M&A仲介に参入

人材サービスのディスコ(東京・文京)は中小企業向けのM&A(合併・買収)仲介サービスに本格参入する。
税理士法人や金融機関が提供する情報をディスコが集約。条件に応じた相手を見つける「マッチング」のノウハウを生かし、実現させる。事業承継に悩む企業などの需要を見込んでおり、まず半年で10件、5年後には半年で100件の成約を目指す。
(日本経済新聞 3月27日)

先ごろ取材したM&Aアドバイザリー会社によると、中小企業のオーナー経営者は60歳までに事業承継の目途をつける傾向が高まってきたという。
後継者がいなければ、50代で企業売却を検討することが珍しくなくなったのだ。
「それどころか、もう40代で売却を考える経営者も増えてきましたよ。出口戦略が定着したのです。身売りは経営の失敗で、経営者としての敗北であると考える時代は終わりました」(同社)。

さらに、買収された会社の社員が合理化されることも、ほとんどなくなった。
買収は人材の確保でもある。売却側の経営者も社員の雇用維持を重要し、複数の買い手が登場した場合は、社員にとってどの買い手企業がベターかを吟味するようにもなった。

買収、売却という言葉も使われなくなってゆくだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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