2016/04/05
「3月末で退職することになりました。本当にお世話になりました」「こちらこそお世話になりました。新しい活躍の場が決まったら、ぜひ壮行会を」
東芝社内でいま、社員同士のこうしたメールが飛び交っている。昨年12月に発表された早期退職の募集は、年が明けて1月から3月にかけて部署ごとに順次行われてきた。募集対象は40歳以上で勤続年数10年以上の社員。対象者には、応募するしないの意思にかかわらず、所属部署の上司との面談が設定される。
(中略)
退職金の加算額が最も多いのは46歳から53歳。この年齢の社員は資格に関係なく、基準賃金の40カ月分が一律で上積みされる。それより年齢が高くなると少しずつ減額され、例えば55歳の上積みは、基準賃金の30カ月分になる。50歳に届こうとする勤続25年前後の役職者の場合、4000万円台後半から5000万円程度という話が伝わっている。役職についていない主事以下の社員は、その半額かそれより少ない額、2000万円強だそうだ。
(毎日新聞 3月26日)
この記事によると社員の間では「原子力事業がなぜ早期退職の募集対象外なのか」「利益水増しの舞台となり、不正に歯止めをかける役割を果たさなかった財務部がなぜ、リストラ対象から外されているのか」という疑問が湧き出しているという。
社員の心情は理解できるが、財務部がリストラの対象になっては会社が存続しえない。道義の問題ではないのだ。
勤続25年で4000~5000万円の退職金が入れば、住宅ローンを完済しても結構な額を貯金できるだろう。恵まれた処遇であることを理解し、リストラ対象部署の不公平など忘れ去って、サッサと次のキャリアを開拓したほうが現実的だ。
東芝できちんとしたキャリアを積んできた社員なら、中堅・ベンチャー企業で働き口が見つかるはずだ。
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