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サンクスバイトの高校生、ブラック職場に対抗し労働協約

コンビニエンスストア「サンクス」でアルバイトとして働く埼玉県の高校3年生の男子(18)が、労働組合「ブラックバイトユニオン」を通じて労働協約を結んだ。店の運営会社と「賃金支払いは1分単位」とすることが柱。高校生が労働協約を結ぶのは珍しい。

ユニオンが15日発表した。高校生が働く店では賃金が15分単位で計算され、15分に満たない時間分は「ただ働き」させられていた。労働協約は、1分単位で賃金を支払うしくみに改め、アルバイトを含む従業員約70人に未払い賃金計約500万円を支払う内容という。高校生は「行動することが大きなことだと実感した」と話す。

また、フランチャイズ本部が提供している店の勤務管理システムが、15分未満の労働時間を切り捨てることができるしくみは不適切として、ユニオンが15日、サークルKサンクスに改善を申し入れた。同社広報は「店には1分単位での賃金計算を推奨している。システムを見直すかどうかはコメントを控えたい」としている。
(朝日新聞デジタル 3月15日)

ブラック企業問題が噴出する前ならアルバイトの要求など門前払いで、聞く耳すらもたれなかった。ブラック企業問題に人手不足が拍車をかけ、雇用主も真面目に耳を傾けざるを得なくなったようだ。
いまや不法行為はSNSで瞬時に拡散し、いくら雇用主が隠ぺいに腐心したところで、表面化するのは時間の問題である。勤怠管理の不備を釈明しても、多くの場合、それが故意であることも明白だ。
この種の問題では、労働基準法に関わる雇用主の知識よりも、むしろ民度が問われている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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