2016/03/15
2016年春闘の労使交渉で、味の素は8日までに、所定労働時間を1日当たり20分短縮することを労働組合側に回答、妥結した。短縮後は1日の労働時間が7時間15分となる。
月額給与を一律にかさ上げするベースアップ(ベア)は行わないが、労働時間を短縮しながら基本給は維持するため、実質的に月1万4000円以上のベアに相当するとしている。
味の素によると、労組側は今春闘でベアを求めず、所定労働時間の短縮を要請していた。時間短縮の具体的な方法を検討する必要があるため、実施は17年4月からとする。
(時事通信 3月8日)
基本給を維持しながら労働時間を短縮するとなれば、業務の生産性を向上させなければならない。会議のための会議を廃止し、ファイリングのための書類作成を廃止し、社内アピールのためのメールを廃止すれば、本来業務に充当できる時間は相当に増える。
束縛のための直行直帰の禁止措置も、生産性を低下させる要因だ。移動時間と交通費の無駄である。
しかし、無駄と考えるか、必要事項と考えるかは会社の文化に起因する。管理部門が自部門の存在をアピールするために間接業務を増やし、各部門の労働時間を増やす例も珍しくない。味の素には明確な成果を出してほしいものだ。
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