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味の素、労働時間を1日20分短縮、基本給は維持

2016年春闘の労使交渉で、味の素は8日までに、所定労働時間を1日当たり20分短縮することを労働組合側に回答、妥結した。短縮後は1日の労働時間が7時間15分となる。

月額給与を一律にかさ上げするベースアップ(ベア)は行わないが、労働時間を短縮しながら基本給は維持するため、実質的に月1万4000円以上のベアに相当するとしている。

味の素によると、労組側は今春闘でベアを求めず、所定労働時間の短縮を要請していた。時間短縮の具体的な方法を検討する必要があるため、実施は17年4月からとする。
(時事通信 3月8日) 

基本給を維持しながら労働時間を短縮するとなれば、業務の生産性を向上させなければならない。会議のための会議を廃止し、ファイリングのための書類作成を廃止し、社内アピールのためのメールを廃止すれば、本来業務に充当できる時間は相当に増える。
束縛のための直行直帰の禁止措置も、生産性を低下させる要因だ。移動時間と交通費の無駄である。

しかし、無駄と考えるか、必要事項と考えるかは会社の文化に起因する。管理部門が自部門の存在をアピールするために間接業務を増やし、各部門の労働時間を増やす例も珍しくない。味の素には明確な成果を出してほしいものだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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