2016/03/14
パナソニックは2017年春をめどに永年勤続制度を見直す。勤続30年の社員に現金で支給している 20万円の手当を廃止、一定の年齢になると福利厚生に使えるポイント制度に切り替える。 勤続年数に応じた休暇制度もやめる。中途採用者など幅広い人材の働きに応える人事制度をめざす。
労働組合と協議を進めており、3月初旬にも新制度の詳細を固める。対象は国内の従業員。 勤続30年を迎える従業員は年2千人ほどいるとみられる。
勤続年数により手当を出す考え方を改め、50歳など節目になる年齢に達したときに福利厚生などで応える制度にする。中途採用者の場合、制度の恩恵を受けるのが難しかったが、年齢を基準にすると利用しやすくなる。
(日本経済新聞 2月27日)
永年勤続手当と休暇制度の廃止は、終身雇用の廃止を宣言したようなものだ。終身雇用の時代が過ぎ去ったことはわかり切っていても、廃止措置は明確なメッセージとして受け止めることができる。しかも、パナソニックが実施することは、じつに象徴的だ。
終身雇用の終焉は、サラリーマンが自営業者に移行したことを暗示している。勤務先は取引先になったのだ。取り引きが細ることは自己責任である。それを想定して複数の取引先をもつことはリスクヘッジのイロハだが、サラリーマンもそうなってゆくだろう。
副業を認可した会社もあるが、したたかなサラリーマンは副業という範ちゅうを超え、“自分法人”の経営基盤の強化へと向かうに違いない。
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