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社長の平均年齢、過去最高の59.2歳――帝国データバンク調べ

社長の平均年齢を見ると、2015年は59.2歳と過去最高を更新した。1990年以降一貫して上昇を続けており、社長の高齢化は着実に進展している。社長交代率(=1年の間に社長の交代があった企業の比率)を見ると、2015年は3.88%で、3年連続で前年を上回り、リーマン・ショック以来低下傾向にあった交代率は回復の兆しが見え始めている。
 また、2015年に社長が交代した企業を新旧代表の平均年齢からみると、前代表が67.0歳、新代表が50.8歳となった。おおむね代表の年齢が高齢者に分類される65歳を過ぎた後に代表交代が行われ、平均して16.2歳若返りが図られていることが分かった。
(帝国データバンク プレスリリース 1月26日)

70代前半の建設会社社長に「経営者として旬の時期はいつ頃でしたか?」と尋ねたら「40代から50代だね。65歳を過ぎてからは発想と馬力が落ちてきて、本当は引退しなきゃいけないんだけどね」。そう答えてきた。まだ後継者がいないのだという。
元気高齢者が増えることは喜ばしいが、世代交代を遅らせると、会社の活力を損ないかねない。日々の張り合いを求めるのか、会社の活力を優先するのか。決断するのは当人だが、企業経営よりも没頭できることを見つければ、きれいに身を退き、後進に道を譲れるのではないか。
一概にはいえないが、65歳になったら代表権を後進に託し、サポート役に廻るのが世代交代にはよい。(まだまだ若い者には負けない)という気負いは、老害に直結しかねない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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