2016/01/15
面接など採用選考の解禁を4月から8月へと遅らせたことで混乱を招き、「学生、大学、企業の三方が損をした状態」(榊原定征経団連会長)となった昨年の新卒採用。経団連は今年、6月解禁に前倒しするなど朝令暮改の感は拭えない。あおりを受けて希望の企業に就職できなかった学生も多く、求人情報企業の間では、そうした不本意な新入社員が少なからず今年再び本命企業に挑む“リベンジ転職”に回るとの観測が飛び始めた。人材を確保できなかった企業は“バツイチ”の転職受け入れに動き始めている。
(中略)
転職サイトのビズリーチが昨年9月に発表した調査では22~30歳の会員341人のうち、新卒で入社した企業に「後悔している」との回答は41%に上る。そのうちの約半数が新卒時に希望した企業や業種を目指す「リベンジ転職」を視野に入れていると答えた。
後悔の理由は「やりたいことが明確に定まらないまま入社した」「企業研究が十分でなかった」としており、主に納得いく就職活動ができなかったことが浮き彫りになっている。
(産経新聞 1月6日)
リベンジ転職はいまにはじまったことではなく、第二新卒という採用枠が設けられたのも、リベンジ転職ニーズを汲みとった措置だ。しかし、本命だった企業への再チャレンジがブームになれば、商魂たくましい人材サービス会社は、リベンジ転職市場を開拓し、リクルート手法のコンサルティングも手がけるようになるだろう。
応募者も稼ぎのある社会人となれば、ビジネスの対象として、いろいろな内定獲得手法を提供するのではないか。
困惑するのは退職される側である。多くは中小ベンチャー企業だろうが、新卒入社した社員がリベンジを考えているのかどうか容易に察知できないうえに、本命企業に内定した社員を引き止めることは難儀だ。
どんな巧言令色も、本命企業への内定に対しては無力だろう。
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