2016/01/12
宮崎市のネットベンチャー企業が、宮崎と東京での交互勤務を認める新たな中途採用制度を設けた。1年間限定で約半月ずつ宮崎市の本社と東京・港区のオフィスで働く。首都圏などの優秀な人材を確保し、宮崎への定住を促すのが狙い。地方企業のユニークな採用形態として注目されそうだ。
「アラタナ」は2007年、宮崎市に設立。社員は110人で、ネットショップの運営やホームページの作成支援などを手掛けている。顧客の大半は首都圏に集中しているという。今回の制度「デュアルライフ採用」の対象は同業経験がある転職者で、東京に戻ったり、家族を宮崎に呼んだりする旅費として月額5万円を用意。宮崎での家賃補助などを含めて最大180万円を支給する。2年目以降は宮崎市の本社勤務を条件とする。
(qBiz 西日本新聞経済電子版 1月5日)
元総務相で野村総合研究所顧問の増田寛也氏は、地方創生に関する講演で「地方創生のテーマは若者の定住促進を通して、地域経済の自立を図ること」と述べている。自治体によっては人口増の数値目標を掲げたうえで「人口を何人増やすかではなく、若者を何人増やすかだ」と議論されるケースもあるという。
アラタナの東京・宮崎間の交互勤務は、生活環境の変化への適応をサポートし、移住リスクを軽減させる取り組みだ。社員によっては、交互勤務を1年限でなく、5年ぐらい続けたい人もいるかもしれない。
移住にはこうしたソフトランディングが必要である。そう考えると、高齢者の地方移住が政府の思惑どおりに進むかどうかは疑問だ。発端が都市部の介護サービス提供力の限界を理由という行政課題で、高齢者の側にニーズが潜在しているわけではない。
まして団塊の世代が、その気質からして、政策誘導に乗せられるとは思えない。
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