2015/12/23
「あの人と一緒なら、もう辞めたい」。大手システム会社の人事担当者は数年前、若手にこう告げられ、思わず言葉に詰まった。
問題の人物は定年後の再雇用で働く60代のシニア社員。ろくに仕事もせず、勤務時間中に社用携帯で飲み会の相談をし、資料作成も若手に振る。仕事が回らなくなった若手から悲鳴が上がった。年金の受給開始年齢の引き上げや元気な高齢者の増加で、職場に増えるシニア社員。だが管理職だった「現役」時代の意識が抜けない人は多い。「過去の経験にこだわる」「柔軟性に欠ける」「事務仕事を押しつける」。企業活力研究所の調べでは、シニア社員に対する現場の不満が並ぶ。
(日本経済新聞 12月17日)
定年後に再雇用された社員が「過去の経験にこだわる」「柔軟性に欠ける」のは自然現象である。肝心なのは、かつての部下のサポーターに徹しきれるかどうかで、マインドリセットができなければ再雇用を打ち切るなどの措置も必要かもしれない。
職場の上下関係には、役職が上なら人物としても格上と思わせるような要素が潜んでいる。これがいけない。だから、定年退職したら誰もが“タダの人”という心境にはなれないのだ。
かつての部下の指示に素直に従い、淡々と仕事をこなせば疎まれることはない。元気高齢者と老害は紙一重である。「老いては子に従え」という教えは職場にも当てはまる。
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