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今夏ボーナス平均は2・8%減の35万6791円

今夏のボーナスの1人あたり平均額は、前年より2・8%少ない35万6791円で、2年ぶりに減った。非正社員の割合は2014年に初めて4割に達しており、厚生労働省は減少の理由を「ボーナスの支給水準が低かったり支給されなかったりするパートや嘱託など、非正社員の割合が高まった」と説明している。
厚労省が9日発表した。減少幅は、リーマン・ショック翌年の09年(9・8%減)以来の大きさとなる。従業員数が多い産業ごとにみると、卸売業・小売業が6・5%減の29万6120円、医療・福祉が4・7%減の25万7278円、製造業が3・3%減の49万4777円で、いずれも落ち込んだ。従業員5人以上のおよそ3万3千事業所を対象に調べた。
(朝日新聞デジタル 11月9日)

非正規雇用の拡大が支給額の平均を下げたのはその通りだろうが、医療・福祉に限っては、今年4月の介護報酬改定がマイナス改定になったことが響いたのかもしれない。4月の改定では介護職への処遇改善加算が設けられたが、加算分は事業者に支払われるため、賃金に反映されたとは限らない。反映されない例も少なくない。
社会保障財源が苦しくなることから、来年4月の診療報酬改定、2018年の診療報酬と介護報酬の同時改定とも厳しい改定になることは必至だ。医療・福祉分野でとくに人件費が低く、人手不の著しい介護職は、ますます厳しい状況に追いやられかねない。
ロボット化や外国人介護職の登用、定年延長などで人手不足をどこまでカバーできるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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