2015/11/02
全国180万社の中小企業のうち約6割が後継者不足に悩むとされている。中規模企業の経営者の引退年齢は平均67.7歳。60歳以上の経営者の割合は全企業平均で5割超とこの20年で2割増えており、事業承継は大きな課題だ。
無理に親族に承継すると資産や経営権を巡り争議に発展することがある。最近は中小だけでなく大手でも事業承継トラブルが目立つ。相続税関連に詳しい税理士法人チェスター(東京・中央)の荒巻善宏代表社員は「事業承継には周囲の納得を得るための時間と準備が必要」と指摘する。
(日本経済新聞 10月24日)
後継者不足の要因のひとつに、そもそも後継者候補を育成してこなかったことが挙げられるだろう。オーナー経営者は、自分の代で会社を閉めるつもりがない限り50歳を過ぎたら、後継体制の準備に入ることが現実的だ。
しかし「1億総活躍社会」が掲げられたことを大義名分に、生涯現役の意向を固め、世代交代を先送りするオーナー経営者が続出するのではないか。たぶん1億総活躍社会の真意は、年金の支給時期を延期し、減額もしたいから生涯働けということだろう。
生涯現役で充実感を得られる高齢オーナー経営者はよいが、困るのは次の世代だ。経営のトレーニングを積む機会を与えられないまま50歳を過ぎたら、もはや手遅れである。
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