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実質賃金2カ月連続プラス 8月確報値、0.1%増

厚生労働省が22日発表した8月の毎月勤労統計調査(確報値)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月より0.1%増えた。速報値から0.1ポイント下方修正したものの、2カ月連続のプラスを維持した。残業代が増えたほか、基本給も伸びたためだ。

調査は従業員5人以上の事業所が対象。(中略)実質賃金は、7月に2年3カ月ぶりにプラスに浮上した。

8月は名目の賃金水準を示す1人当たりの現金給与総額も前年同月より0.4%増えて27万1913円となった。ボーナスなどの特別に支払われた給与は同1.9%増の1万3755円、残業代などの所定外給与は同1.6%増の1万9111円だった。基本給にあたる所定内給与も23万9047円と前年同月より0.2%増えた。
(日本経済新聞 10月22日)

さる10月22日、都内で開かれたシンポジウムで野村総研顧問の増田寛也氏は、地方創生のメインテーマである若者の定住促進について、「少子化対策には若者に地元に定住してもらって2人以上の子供を出産して、安心して育ててもらえる地域にならなければならない」と指摘した。

さらに「そのためには世帯年収が500~600万円は必要で、経済界に力を発揮してほしい」。そう呼びかけた。

かりに夫の年収が400万円で、妻が200万円なら世帯年収は600万円となる。住宅費や子供の教育資金を考えればギリギリの水準だろう。地方企業の賃金アップはどこが先導するのか。アベノミクス効果が届いていない地方の経済界にとって、賃金アップは利益相反と受け取られかねない。となれば、安倍晋三首相のメッセージ力に頼るしかあるまい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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