2015/10/01
中小企業が働きやすい職場づくりに知恵を絞っている。他社などと兼業で働く人を正社員並みに処遇したり、仕事をしてもしなくてもいい「フリー出勤日」を設けたりと、柔軟な働き方を制度化する動きが広がっている。景気回復などを背景に大手の採用意欲が高まる中、優秀な人材の獲得や離職防止につなげる狙いがある。
女性向け就職支援サイトを運営するLiB(リブ、東京・渋谷、松本洋介社長)は他社で働く人やフリーランスが正社員並みの待遇で働ける「メンバーシップオプション制度」を設けた。ほかの社員と同じ福利厚生を適用し、将来の上場も念頭にストックオプション(株式購入権)も与える。
(日本経済新聞 9月21日)
社員とフリーランサーは対極にあるが、それが融合されることは、拘束されたほうが働きやすいという受け身過剰の社員をのぞけば、社員にとってもフリーランサーにとっても、格好の就労環境ではないのか。
社員のフリーランサー化は、中途採用で有能な人材を獲得しやすくなるだろうし、フリーランサーを囲い込むにもよいだろう。統制色の濃い企業には社員を縛り付ける多くのルールが設けられ、嵩じて文化となって、組織の論理に盲従する社員をつくり出してしまう。
ただ、社員とフリーランサーの一体化策は中途採用や退職防止には有効でも、新卒採用ではどれだけの訴求要素になるだろうか。おそらく起業した学生には魅力的だろうが、通常は会社員生活を経験しないと有難味を実感できまい。
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