ブラックという定義は今でも困惑している。ネットを批判するわけではないが、これでどれだけ多くの人が悲しんでいるか。社員、社員の家族、株主、取引先の方に悲しい思いをさせている。
ブラックだなんて全然思っていない、過去も今も、将来も。だから自分たちの中身を出していく。実態を変えるだけではなく、実態を社会に示していくということが大事。
■ 風評の払拭に近道はない
――ブラック批判の影響については?
肌感覚だが、われわれだけが厳しくなったのではない。これは業界全体にいえることであって、集客についてまったく影響がないとは思わない。この風評ばかりはどうやってもなくすしか仕方がない。そこが実態を示すというところにつながる。
今、入社する人は実態を見たうえで選んでくれている。これだけ言われているところに入社するのは不安じゃないですか。逆に、彼らが言ってくれるのは「なぜここがブラックと言われるのか」。一緒に「冗談じゃない」という思いを持って来てくれている。こういう1つずつの積み重ねしかない。(東洋経済オンライン 7月28日)
どんな劣悪な労働環境にある会社でも、社長が自分の会社を「ブラックである」とは口が裂けても言うはずがない。それを口にすることは自己批判でなく、もはや自己否定である。
しかし、劣悪な労働環境が事実として認められるのなら、事実は率直に認めたほうがよい。事実認識と価値判断は異なる。事実を認めたうえで、価値判断をすればよいのだ。その判断が世間から容認されるか、排除されるかで、会社の経営姿勢がふるいにかけられる。
排除されてもなお(わが社は間違っていない)と突っ張るのなら、それは致し方ない。世の中には、批判を受けての改善という行為を頑迷に拒否する人が少なからずいるものだ。それは偏狭なプライドゆえにというよりも、むしろ何かに憑りつかれたように見えてならない。
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