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51〜55歳会社員の半数以上に「介護のリスク」

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既に介護が必要だったり、近く必要になる可能性があったりする「介護のリスク」がある親を持つ会社員は、51〜55歳で51.4%と半数に 達していることが22日までに、ダイヤ高齢社会研究財団の調査で分かった。
親が重度の要介護状態になった場合、離職の可能性が 大きいと回答した会社員は全体で10人に1人に上った。

財団は「企業の中核を担う人が親の介護で離職を余儀なくされる可能性があり、企業が両立の仕組みづくりに本腰を入れる必要が ある」と指摘した。
調査は昨年2〜6月、財団の賛助会員企業のうち15社に勤める60歳までの社員を対象に実施。4320人の回答を分析した。
介護のリスクがある親を抱える人は56〜60歳が44.5%だった。46〜50歳で42.7%、41〜45歳でも30.0%に上っており、親の介護が 中高年の大きな課題であることが浮き彫りになった。
親が重度の要介護になったら、離職の可能性が高いと答えたのは11.4%。男性の7.1%に対し、女性は26.3%と男性の4倍弱となった。(日本経済新聞 3月23日)

昨年8月、社会保障制度改革国民会議が安倍晋三首相に提出した報告書にある医療・介護政策のコンセプトは「病院完結型から地域完結型へ」だった。
報告書に基づいて今4月の診療報酬改定を皮切りに、医療・介護政策が進められていく。

「病院完結型から地域完結型へ」は理念としてはよいのだが、地域に支え手がどれだけいるのか。
介護離職の増加は地域完結型の困難さを露呈している。
高齢社会を乗り切るキーワードに「自助・互助・共助・公助」があるが、介護離職を防ぐには、ひとえに職場での互助にかかっている。
職場での互助を制度化した新しい取り組みに、男性社員の育児休業取得が挙げられるだろう。
だが育児と違って介護にはゴールが見えず、休業制度も設計しづらいのが実情だ。
だから、お互いさまの文化を企業内に創りあげることが肝要である。社員が困ったときに助け合うのは、人としてお互いさまである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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