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じげんがブレイン・ラボを買収した件について

じげんがブレイン・ラボを買収

人材斡旋業務システム最大手のブレイン・ラボの全株式を取得・子会社化
株式会社じげん B2B事業領域へ本格参入
株式会社じげん(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:平尾 丈、東証マザーズ:3679)は平成26年7月17日(木)開催の取締役会において、人材斡旋業務システム最大手である、株式会社ブレイン・ラボ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:永井正樹、以下ブレイン社)の全株式を取得し、子会社化することを決議し、株式譲渡契約を締結いたしました。

当社も利用している人材紹介の業務システムCareerPlusを開発運営するブレイン・ラボをじげんが買収した。この人材領域のERPについては、以前「人材業界向けERPソフト会社について財務比較してみた」というブログで紹介した通り、最古参のポーターズ、今回買収されたブレイン・ラボ、派遣中心のマッチングッドの3社がサービスを展開している。

人材系ERP会社の決算を比較すると

昨年の決算比較では1位ポーターズと2位ブレイン・ラボは売上高でダブルスコアに近い差が存在していたが、今年度は140%近い成長があり6000万円程に肉薄し(恐らくユーザー数も相当に増えた)、営業利益については大きく差をつけるに至っている。背景には、CareerPlus2のローンチとユーザーの拡大があったのであろうと想像する。特に求人数が激増し、案件管理や掲載管理を一元化したい顧客の新規導入が加速したことが伺われる。

一方で、ポーターズは売上微増、利益大幅減であるが、こちらは新パッケージ「HR-Business Cloud」への開発投資と海外システム開発子会社への事業投資がかさんだことが原因だろうか?いずれにしても両社共にASPサービスで事業を回転させており、サービスのインフラとオペレーションが整えば利益が時間差でついてくる事業体であるために、今年度は更に営業利益を積み上げる可能性を感じている。

 個人情報の管理体制について

ベネッセ流出、SE逮捕…スマホで情報持ち出し
ベネッセコーポレーションの顧客情報流出問題で、警視庁は17日、顧客データベース(DB)の管理を担当していた東京都府中市寿町、元システムエンジニア(SE)松崎正臣容疑者(39)を不正競争防止法違反(営業秘密複製)容疑で逮捕した。 顧客DBから、貸与されたパソコンに個人情報をダウンロードし、充電を装ってUSBケーブルで接続した私物のスマートフォンに情報を移し替え、持ち出していたという。

ちなみに、私も背筋がぞくっとしたのがベネッセの情報漏えい問題だ。漏洩した情報の機密度合を考えると、我々人材紹介会社のお預かりしている個人情報は住所や生年月日だけではなく、職歴、年収など比較にならないほど重要な情報ばかりである。ベネッセの場合はシステム専門子会社が更に外注に出し、そこで働いていた派遣社員が悪意で情報を抜き出しているのだが、これをわが身に置き換えるとぞっとした。
ブレイン・ラボやポーターズに預けているDBから仮に漏洩問題が起きると、人材会社を吹っ飛ばすのなんて簡単、ASPサービスは便利でお手軽だが、実は物凄い経営リスクの高い商品なのである。

当社の場合は、漏洩リスクについてはかなり慎重に捉えており、ブレイン・ラボ(海外子会社はない)の永井さんの「開発は全てプロパーで行っており、外部からのリソース調達は行わない」という開発体制や開発ポリシーを予め確認して導入を決めた過去がある。
一方でポーターズは海外子会社でのオフショア開発を行っており、如何に本社をセキュリティブロックしてもベトナム経由でどうにかなっちゃったらどうしよう?という漠然とした不安があり検討しなかった。経営判断としてはオフショア開発というのは、今やどこのSI企業やアプリ会社も当たり前のように行っているが、ユーザー側から見ると、特に人材紹介という個人情報命の会社としては不安に映る部分もある。

CareerPlus2については、このところログインできないトラブル(IPアドレスの変更の影響?)や提携サイトとの連携不具合が続いており、「おいおいどうなっているんだ!?」と問い合わせたりすることも多いのですが、じげん傘下に入っても新たなサービス開発ではなく、確実な情報保護と安定運用を提供してほしいと願っている。

三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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