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後継者がいない、謙虚さを忘れた裸の王様が君臨する企業は優良企業なのか?

公募も失敗、後継者が決まらない優良企業 「社内に適任はいない」と断言するユーシン社長(日経ビジネス)

ハンドル部品やステアリングなど自動車部品会社のユーシン。2013年には仏部品大手ヴァレオの鍵(キー)セット部門を買収するなど、グローバル 化を積極的に進めている。2015年11月期の売上高は1600億円を見込んでおり、6期前の2009年11月期に比べて3倍余りに増える。その約8割が 海外での売上高が占める。

そんな優等生企業のユーシンだが、最大の課題は次期社長候補を決めきれないことだ。社外から候補を探し続けて10年近くなるが、いまだに適任は見つからないという。81歳の田邊耕二社長は「正直、名案がない」と打ち明ける。

 

ユーシンはまだ後継者見つかっていなかったのか、という記事です。昨年の春先も同じような状況で、Talk!Geniusでも「ユーシンの社長公募について思うこと」で触れています。本件について人材ビジネス従事者としての観点でコメントしたいと思います。。

ユーシンの場合は今になってではなく、10年前くらいから、毎年社長後継者候補を多くの人材紹介会社やエグゼクティブサーチに依頼をしてきました。
後継者が決まらない最大の理由は、田辺氏自身にあることは、ほぼすべての紹介会社は理解しており、良心的なエージェントはユーシンの仕事は引き受けないか、後継者探しはもうやめてトヨタ系列か独立系自動車部品メーカーにExitすることを勧めています。

若しくは、スター経営者と都合のよい脇役という現在の経営スタイルから、機能別責任者による合議制の経営チームの組成を進言しています。これは後継者に自 分のコピーを求めるのではなく、普通の会社に転換するということを意味する訳ですが、田辺氏については踏ん切りがつかないまま、ズルズル来ています。 (リーブ21なんかも同様ですね)

また何故毎年採用繰り返すかというと、予算の足りないエージェントや、怖いもの見たさ・打ち上げ花火的ネタを求める媒体社が、毎年のようにフィーをむしり取ろうと営業しに行くからです。

ちなみに優良企業の判断ですが、私の場合は現在のBS、PLだけではなく、仕事がらその企業の人事組織系の内側をみて判断しています。その点では後継者が いない、また謙虚さを忘れた裸の王様が君臨する企業というのは、優良企業とは最も真逆に位置する、がけっぷちの危険な会社だと思います。

三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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