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男性の育休取得率は1.89%、イクメンとか実際どこにいるんだよ?

イヌワシです。

全国で500羽程度生息しています。もちろん絶滅危惧種です。

今日は日本の絶滅危惧種”イクメン”がどの程度危機的な状況なのか、非常に分かりやすい統計が発表されたので、こちらについて考えたいと思います。

 

今年度も厚生労働省の雇用均等基本調査がリリースされました。
そこで分かったのは男性の育休取得率の衝撃的な低さです。なんと取得率1.89%、100人に1人しか取得していないのです。
世の中はイクメンブームですが、イクメンとか実際どこにいるんだよ?状態の結果が公表された訳です。

女性の育休取得率は83.6%と(前回87.8%)、一方で男性の育休取得率は1.89%(2.63%)です。
また育休取得後に復職した女性の割合は89.8%(92.1%)であり、10人に1人は育休取得後に退職しています。
男性の場合は復職率は99.4%であり、育休取得後にほぼ全員が復職しています。
取得した育休期間は、女性は33.8%は10-12か月未満、次いで12ー18か月未満22.4%、8ー10か月未満13.7%です。
一方男性は、5日未満が41.3%と最大であり、次いで5日ー2週間以内19.4%、1ー3か月未満17.9%です。

この資料からわかるのは、基本的にはイクメンは100人に1人しかいないし、その内半分は1週間育休取っただけという事実です。
このように現実問題としてイクメンはそもそもいないし(夫は育児に時間とらない)、しかも前年に比べても減少しており、もはや絶滅寸前状態なわけです。

また、育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度の有無については37.4%の企業で制度がありません。
未就学児の母親が時短就業することが難しいという現実は今も昔も変わらないままです。

日本政府は出生率を向上させ、且つ女性の活用を目玉戦略として進めようとしているわけですが、このように男性が育児をしない(できない)以上、女性が育児のために時間を割かざる得ない状況は続いています。
男性は仕事、女性は家庭という体制は今も昔も概ね変わっていないし、効果的な政策は打たれていないことが、この数字からも分かります。

三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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