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グリー赤字転落、アブラハム行政処分、ルネサス国有化完了、最近気になったこと

最近気になったニュースについて、ブログで感想を纏めてみます。

まずはグリー、ここ数年インターネット産業だけでなく、人材紹介市場でも抜群の存在感を放っていた企業が遂に傾き始めました。

グリーがついに正社員削減に着手(東洋経済オンライン)
ソーシャルゲーム大手のグリーが、ついに正社員の削減に着手する。今年10月末に大阪オフィスを閉鎖。約30人いる社員には、現在、順次退職勧奨が行われている。一部東京本社へ配置転換する社員もいるが、大方の社 員はグリーを去る予定だ。グリーは今夏8つあった海外拠点を半減させているが、国内正社員の削減にメスを入れるのは、今回が初めてとなる。

グリーが業績悪化と希望退職募集、いきなり崩れることはないでしょうが、ここで踏みとどまれるのか?ライブドアやインデックスのように消えていくのか?勝負の分かれ目がやってきたようです。
グリーのSNSとしての魅力は申し訳ないレベルにあるので、ゲーム会社として生き残るためにどうするか、新規事業や事業投資で当たりくじを引けるのか?このあたり注目ですね。
ちなみにcommとGroovyってどうなったんでしょうね。やっぱり二番煎じでは収益を上げることが難しいのではないかと想像します。
個人的にはせっせとアジア方面にばらまいている投資回収が気になるところです。余りシーズフェーズが多いと回収する前に母体がひっくり返っちゃう可能性もなくはないかもしれません。但し爆速成長中のアジア市場のインターネット銘柄に投資するというコンセプト自体はとても正しいことだと思います。
HR視点で考えると、人材乱獲企業ってやっぱりこうなるんだな、という感想を持たれた同業者さんもいそうです。
それと3年後にL○NEが同じ運命をたどるんじゃないかと・・・頭をよぎったひとも多いかもしれませんね。

 

次に「いつかはゆかし」のアブラハム、個人的には塚本高史さんは好きな俳優なので、今後彼がしばらくテレビで見られなくなるんじゃないかと危惧しています。

アブラハム処分勧告へ(MSN産経)
金融商品販売業者の登録をせず、事実上、海外運用会社の商品を販売していたとして、証券取引等監視委員会が投資助言会社「アブラハム・プライベートバン ク」(東京都港区)に行政処分を科すよう金融庁に勧告する方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。監視委は金融商品取引法に違反する「無登録 販売」と判断したとみられる。

予想通りですが、いつかはゆかしのアブラハムが行政処分勧告です。
安愚楽牧場とMRIでミスった行政が名誉挽回するために、ずいぶん早めに行動に移しましたね。
以前から各所で投資助言の域を超えているので、不通に免許取って緊急商品販売したらいいのに、という意見がありましたが、何か免許取れない理由があったのでしょうか?(不透明なキックバックとか、突っ込んでいる人が大勢いらっしゃるようです)
何だか可愛そうなのは大量採用していたような新卒の皆さんです。どうやら100名近くを採用していたようなのですが、この方々は今後どうなるのでしょうか?

 

そして最後はルネサス国有化完了、このニュースは何だかひっそりと報道され、余り注目されていません。
但し同社の半導体は我が国のあらゆる製品にくまなく採用されていたりするので、実は産業界にとっては大きなニュースと言えます。

ルネサスの“実質国有化”が完了(EE TIMES)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2013年9月30日、政府系ファンドである産業革新機構と顧客企業8社から第三者割当増資に伴う払い込みが完了したと発表した。これにより、政府が約9割出資する産業革新機構がルネサスの発行株式の69.16%を掌握したため、ルネサスは実質的に国有化された。

ルネサスの国有化が完了して1週間、半導体周辺産業の色々な方にお会いしました。
資金、顧客、技術など、まぁ議論は色々と盛り上がりましたが、ルネサス復活のカギはどうも「人」のように感じています。
私はルネサス社の社員ではないので、社内の状況は分かりかねるわけですが、どうも各方面のお話を伺う限り大変暗いようです。
なんというのでしょう、社内に漂う絶望感??
私は以前某航空会社の破たんのタイミングで何度か先方に訪問したことがあり、人事面で色々とお手伝いしたことがあったのですが、あの時も社内を包むどんより感は半端じゃありませんでした。
まさに生気を吸い取られるような、ゾクゾク感がありました。
きっとルネサスさんも同じような状況なのかもしれません。

この絶望的雰囲気を払しょくすることが新経営陣のミッションになりそうです。
後工程は基本的には閉鎖の方向でしょうから、実はまだまだリストラは中腹。
オムロン色が強まりそうですが、どんな経営再建策を展開するのか気になるところです。

三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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