日本にも影響を及ぼすような、米国臨床腫瘍学会、米国消化器病学会、米国小児科学会、米国精神医学会など、名だたる学会が全米に向けて無駄な医療を公表していた。まさに「衝撃のリスト」に見えた。日本ではほとんど知られていなかった。これはもっと広く伝えなければならないと、思わずにはいられなかった。
米国医学会が出した「衝撃のリスト」全米8割の医師が示した無駄な医療とは 室井一辰(医療経済ジャーナリスト)(日経ビジネスオンライン 6月23日)
昔、「買ってはいけない」「食べてはいけない」「飲んではいけない」といったシリーズ本がベストセラーになったことがある。中高年以上の方なら、覚えている方も多いと思う。
一見たしかな根拠に基づいた風を装って、一般に流通している食品の危険性を糾弾し話題を集めたが、実は科学的に不正確、誤解を招く表現が多い、捏造記事すれすれ、といった、いわゆる煽情ジャーナリズム本だったというのが現在のもっぱらの評価だ。
失礼ながらこの記事の筆者・室井一辰氏の今話題の書籍「『絶対に受けたくない無駄な医療』」も、またぞろその手の本が登場したか、いうのが最初の印象だったが、大きな間違い、その論拠はとても納得できる。
この記事を要約すれば、全米71の専門学会が参加する「Choosing Wisely(賢く選ぶ)」運動が明らかにした、100の無駄な医療とその問題点を明らかにしたもの。
たとえば
などなど。いずれも日本の病院に行けば、ごく当たり前に診断・処方されることばかりだ。こうした無駄な医療の背景には、医師や薬品メーカー優遇のための保険点数制度がある、と指摘する声は以前からあったが、もうそんな悠長なことはいってられない。真に日本国民の健康を維持・向上させるためには、こうした米国の情報も大いに参考にしつつ、無駄な医療の撲滅にいますぐ動くことが求められているのではないだろうか。
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