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ブラック人材会社に勤めてるんだが、もう俺(私)は限界かもしれない。

先日当社のお問い合わせ窓口に1通のメールがありました。
大学4年生で現在卒論のテーマとして「シニア雇用を一般化する。」を取り扱っており、当社の取組について教えて頂きたいというものでした。

そういえば私も大学時代のゼミ論文で「整理解雇と非正規雇用」をテーマとしており、「整理解雇事件で負けた企業の人事部」に「なぜ4要件満たしていないと思うのに勝負したのか?」や「派遣企業の経営者の方々」に「非正規雇用の拡大による家計所得の減少とデフレの関係」について取材しようと思って、正面からアプローチしたら当然のごとく門前払いを食らいましたので、こういうお問い合わせは大歓迎でお受けしたわけです。
(ちなみに、その当時は何とか直接意見を聞けないだろうか?と考えて、P社やI社、G社には新卒採用試験を受けて、役員面接でシレッと質問することに成功しました。)

ところが、いざご本人がやってくると、その方は「人材会社Nの新入社員」の方で、大学生でも何でもない、という告白があったのです。
新しく新規事業でシニアビジネスを始めたいと考えているのだが、なかなか同業者にアポイント取れないし、情報取れないので、嘘ついて問い合わせをしました、とのこと。

私は当然ながら、名を騙るのは言語道断、社命でやっているのであれば入る会社間違いましたね、とコメントしてしまったわけですが、折角お土産持って訪問頂いたので、シニア市場というより、人材ビジネスについて少しレクチャー(?)させて頂きました。
また、「当社のポジショニング教えてください」という質問もあったので、「Nは若い方を大量に転職斡旋することで近年売上を拡大していますが、我々のようなマネジメントクラスの紹介会社からすると、無駄な転職1回増やしているだけの評価もあること、業界内の評判もポジションもあなたの期待する程良くない、むしろイケイケドンドンで粗雑なイメージがあること」、と正直な印象を伝えたわけです。

1年目は、このN社の方のように名を騙ることを習い、当然こういった会社は成功報酬でしかビジネスしていないので、あることないことを言って半ば強引に求職者に転職させることで売上を上げる良からぬスキルを覚えたり、入る会社、仕える上司によって、この業界でどのように生きていくかが形成されていく重要な1年です。

公開前だけど、もう限界かも…「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」そこで私が思う人材業界の良くない一面についていくつか記載したいと思います。

1.新入社員の業務は飛び込み営業とテレアポのみ、これをとにかく繰り返す。
OJTと称して飛び込み営業とテレアポを徹底的に繰り返す会社があります。こういうことが好きな人は問題ないと思いますが、そもそも自分の売っているサービスが分からないままに営業することは非効率だと考える方にとっては苦痛だったりします。また飛び込み営業やテレアポは一般派遣や成功報酬型であれば景況感によっては有用かもしれませんが、特にリテイナー型の商売の場合は難しく極めて非効率なことが多いです。
ただ、新規テレアポ大好きな方もいるので、そういった方にとっては問題にはなりません。

2.売上を上げるためには、求職者を騙すことも行う
「エージェントに騙された」というキャンディデイトの方がいます。このうち半分はご自身の確認不足によるものと思いますが、その中にはエージェントが意図的に関与するケース、まさに「騙す」という言葉がしっくりくるケースもあります。
私がこれまで聞いた中では、「処遇条件の内、インセンティブはオファーレターの裏に手書きで書いてあり、採用企業はその条件は誰も知らず、エージェントの独断でそもそも条件を変更した」という、怒りを感じるようなものもあります。
成功報酬目当てに他人様の人生を惑わせてはいけません。

3.勝手にエントリーさせる、音信不通もお構いなし
求職者の意思表示を確認せずに、企業に勝手に推薦(エントリー)し、その後どうしても面接に受けてほしいとお願いする、または進捗状況について全く報告しない、音信不通でどうなったのか分からない、という「悪徳エージェントあるある」です。
先輩の仕事の仕方を見る中で、このような良からぬプロセスを当然のように考えてしまう方も多いかもしれません。

そんな「ブラック人材会社に勤めてるんだが、もう俺(私)は限界かもしれない。」という方は、お気軽にご相談ください。
何かのサポートはしてあげられると思います。人材ビジネスはとても社会的で意味のある仕事です。
目の前の売上に忙殺されない生き方(もっと効率的に仕事をする方法)についてもご案内できると思います。


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三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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