2016/04/26
日本電産は25日、シャープの前副社長の大西徹夫氏(61)を5月1日付で顧問に迎える人事を発表した。株主総会を経て要職に就くとみられる。大西氏は今月30日でシャープを退職する。
大西氏はシャープで主に経理畑を歩み、最高財務責任者などを歴任。海外事業の経験もある。永守重信会長兼社長は25日の決算会見で「グローバル展開していく中で、必要な人材だ」と説明した。
日本電産はシャープを退職した人材の積極登用を進めており、部長級では今年3月までに100人程度を採用した。5月1日付人事では、シャープのテレビ部門のトップを経験した毛利雅之氏(汎用モータ事業本部営業統轄部長)が執行役員に就く。永守氏は引き抜きを否定したうえで「人は何度も同じ失敗はしない。挫折や失敗の経験のある人に来てほしい」と話した。
25日発表した平成28年3月期連結決算は、売上高が前期比14・6%増の1兆1782億円、営業損益が同12・3%増の1245億円の黒字、最終損益が同20・8%増の918億円と、いずれも過去最高を更新した。自動車や産業機械向けのモーターが好調だった。一方、スマートフォンなどで操作に応じて細かな振動を指先に伝える新規部品「触覚デバイス」は計画を下回った。米アップル社の新型iPhone(アイフォーン)の販売が伸び悩み、受注が落ち込んだ。
(産経WEST 2016年4月25日)
本件は引き抜きというよりも、引き取った、面倒を見た、という表現が適切な転職だと思います。
ホンハイへの売却を決定した時点で、株主、INCJや銀行団に示しをつけるためにもCFOの退任は当然です。赤字の直接的原因であったTV事業管掌役員の退任も、社内へのけじめとしては当然です。
その2人を身請けしてセカンドチャンスを与えた日本電産が引き抜きとして批判されるいわれはありません。
なお、引き抜き対策として一番効果的なのは、社内上位 20%の優秀層が100%満足できる組織、経営を行うことです。これは他の社員にとっては苦しく、ついていけない人も出てくると思います。
しかしながら、グローバル資本主義では当然のものであり、 GEもシーメンスもハイアールも同様の施策を実行しています。その当たり前から目を背け続けて
きた日本企業の行きつく先の一つがシャープです。株主や従業員にとってGEとシャープ、どちらが有益な存在なのかは、火を見るよりも明らかであり、日本の会社は本件からより多くのことを学ばなくてはいけないと考えています。
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