2015/12/01
11月29日発売の人材ビジネス支援マガジン「PORTERS MAGAZINE vol.028 人材紹介・人材派遣 2016年の予測展望」にて代表三上がインタビューを受けました。
記事全文を掲載いたしますのでぜひご一読ください。
――エグゼクティブサーチとBPOを行っています。エグゼクティブサーチはリテーナー型の人材紹介で、業界は製造業50%、金融25%、IT・その他が25%。部長以上の幹部職を中心に、年間50名ほどの成約実績があります。成功報酬型で受けることもありますが、8~9割はリテーナー型です。
BPOは60~70歳のシニア層を活用したアウトソーシング業務で、人事制度の改定や、技術支援による品質・歩留まり率の改善、海外現地法人の再建、発電所や公共機関の設立など、様々な案件を企業から一括受注し、シニア人材と共に取り組んでいます。
現在、コンサルタントが9名、インターン学生が6~7名、プロジェクト単位で業務委託しているシニア人材が20~30名ほどいます。
――2011年にサーチファーム・ジャパンから分社化して設立しました。具体的には人事組織戦略の立案や、採用する人材の要件定義、採用手法やツールの選定など、ヘッドハンティングの前工程にあたる部分と現在手掛けているBPOサービスの原型となる技術コンサルティング事業です。
起業前には、まず3年程度の簡単な事業計画と、あらかじめ20名の採用計画を立てました。求める人材の要件定義をかなり細かく行いましたね。
――20名分のポジションに対して、性別、年齢、大学名、前職、語学力、キャラクター、入社後の業務内容、入社数年先に期待したい役割を決めていました。採用タイミングも設定し、80%以上フィットした方を採用しました。細かく設定したのは、理想通りの人材を採用できれば、会社のカルチャーをコントロールしやすく、組織文化的な問題が起きにくくなるからです。また、もし問題が起きても予め想定されていたもののためポジティブに捉えることができるからです。
目標があって人を採用するのではなく、最初に優秀な人を採用し、それから経営目標を具体的に定めていく。それを地道に行ってきたため、当社は設立以来、前年度比平均165%、昨年は195%の成長率を実現してきたのだと思っています。
――採用と育成の間に、コンサルタントを正当に評価する報酬制度を設けています。優秀な人材を採用するのであれば、自分より給料が高くても気にしないことが大事です。実際に私より高い給与を支払っているメンバーもいます(笑)
採用後の育成ですが、当社の場合はクォーターの売上げが1500万円、年間6000万円で一人前と定義しています。未経験から1年~1年半で育成するのが当社の育成プロジェクトで、実際に年間一億円プレイヤーも育っています。
――私たちが目指しているのは、自律/自立した個人で構成されている組織です。一人ひとりが自分の役割やすべきことは何か考えて実行でき、マネジメントがいなくても回っていくのが理想ですね。
また、仕事よりもプライベートを優先すべきだと考えています。そのため、仕事の効率と生産性を上げて早く帰宅できるよう、テレワークの仕組みづくりやシステムのクラウド化など、積極的に投資しています。もともとの業務システムからHRビジネスクラウドへ切り替えたのもそういった意図があります。
――全社員が集まるミーティングを、毎月45分~1時間程度行っています。これは皆が何をしているか把握するために行っており、公式な会議としては唯一のものです。私は会議が本当に嫌いなんですよ(笑)後は前月の状況確認のため、月初に30分~1時間程度、一人ひとりと面談しています。基本的に全員が自由に動いているため、後は必要なときに打ち合わせをしている程度ですね。
採用面での工夫により、お互いに根本的なズレがないので、特に情報共有で問題は感じていません。
――人材紹介業について言えば、そこで働くエージェント個人のレベルを、いかに高めていくかが課題です。人材業界は私が新卒入社した10年前も今でも、残念ながら日本の中心産業ではありません。そのため新卒の優秀な学生や他業界で実績のある中途社員が、人材業界で働くことを目指すケースは多くなかったのです。人材業界は紹介・派遣を合わせると、4~5兆円もの巨大産業なのにも関わらず、いまだに基幹産業とは言えません。
エージェントの質を高めるためには、まずは業界の地位を上げていくことが必要だと考えています。
――私たちが行っているエグゼクティブサーチ事業は、マーケット自体が小さいため、目標としては、アシスタントの人数も含めて25~30名程度の規模組織で拡大をストップするつもりです。ほかに、早期にコンサルタントの平均年収が1000万円を超えること。10名以上のコンサルタントが所属している組織では、ほとんどないのではないでしょうか。その次は、平均年収1500万円を狙う。このような環境であれば一人ひとり責務感が強いプロフェッショナルで構成され、マイクロマネジメントをしなくてもきっちり問題なく機能すると考えています。
(interviewed by 「PORTERS MAGAZINE」http://www.porters.jp/magazine/)
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