先代が築いた病院グループを率いる40代の理事長は、経営チームのパワーアップのために、父親の代から長く貢献している年上の幹部との軋轢を起こさずに、スムーズな代替わりを目指していた。
ディスカッションを通じて、敢えてターゲットを医療業界の外に求めることにした。医療業界の慣習にとらわれず、新鮮な目で経営実態にメスを入れ、変革を起こすためには、医療業界の経験にとらわれず、一般事業会社において事業再生やリストラなど痛みを伴う経営改革を担ってこられた方を採用すべきという合意に至った。医療業界の経験不問でよいのか、理事長の中には最後まで葛藤があったことは否めないが、ビジネスパーソンとしての実績を重視してアプローチを行った。
銀行員を経て世間で話題になった企業再生を担った、企業幹部経験者の獲得に成功した。入職後は、これまでの経験を活かして、専門家集団で組織運営が難しいと指摘される医療機関運営に新鮮な空気を吹き込み、経営幹部層の質の強化に寄与している。